コインチェックの500億円相当のNEM流出事件から7ヶ月くらい経ちました。事件発生当時は返せ返せの大連呼。
盗まれたNEMはどうなるのか。自分たちの手元に戻ってくるのか。コインチェックは保証してくれるのか。そもそも500億円も保証できるお金があるのか、などなどお騒ぎです。
記者会見でも叩かれまくってボロボロになっていく和田前社長と大塚取締役は、もう見ていられない状態になっていきました。
500億円流出前はイケイケだったコインチェック。大人気芸人さんが出演するCMも流して、仮想通貨ベンチャーを支援するファンドも立ち上げると宣言していました。
それから一転して大叩き。
そして最終的には500億円相当の保証を完了。明らかになる仮想通貨取引所の大儲け。取引所の続々参入。マネックスのコインチェック買収など色々。
そして連日を騒がせた取引所騒動は時間が経つにつれて鎮火していきました。
さてさて、コインチェックの騒動は鎮火していきましたが、ここで気になることが出てくるかと思います。
それは何故、コインチェックの取引所を多くのブロガーやアフィリエイターが勧めたのか?という点です。
実はコインチェックは取引所の口座を開設することで成果報酬を与えるアフィリエイト広告を提供していました。多くのブロガーやアフィリエイターは仮想通貨のインフレに乗るように、取引所の広告をバンバン紹介していきます。
取引所のアフィリエイトを提供していたのは以下の3つ。
日本の「3大」仮想通貨取引所です。
この中で特にブロガーやアフィリエイターが推し進めていたのは「コインチェック」。なぜ、あそこまで大きな事件を引き起こしたコインチェックを、どこのブロガーやアフィリエイターも勧めるのか、それにはいくつか理由があります。
一つは単純に単価が高かったこと。
コインチェックは本人確認書類を出した段階で3000円の報酬が。
ザイフは本人確認書類を出した段階では1500円。コインチェックよりも半額の差があります。
ただビットフライヤーも本人確認書類を出した段階で3000円。コインチェックと同額の報酬を得られます。
では、何故ビットフライヤーではなくコインチェックを紹介したのでしょうか?
それは素人にも断然使いやすく、さらに扱っている仮想通貨が一番多い取引所。それがコインチェックだったからです。
ほかの取引所は株価のようなロウソク棒が上げ下げする、投資をする方なら慣れているチャート。しかし初心者にはイマイチ分かりづらいチャートでした。
また使いにくい。
何をどこ見ればいいのか分からない。どこをどう使えば購入するのか、利益を得られるのか。
しかしコインチェックではロウソク棒ではないチャートを採用。まるでExcelで作った折れ線グラフのようなチャートで、値動きを簡単に追うことができ、また仮想通貨も簡単に購入することができます。
自分の保有している仮想通貨も、どの割合まで保有しているのかパッと見でわかる。
このようなサービスとしての使いやすさが、金融初心者の仮想通貨で儲けたい方に爆発的に受けました。
それはブロガーやアフィリエイターも例外ではありません。紹介するのならば自分から見ても使いやすいアプリを紹介すればいい。そう思ってコインチェックをバンバン紹介していきました。
ちなみにコインチェックは、手数料はどの取引所よりも高いです。なのに人気があった。
この人気をさらに加速させたのは仮想通貨の価格上昇でしょう。ビットコインが50万、60万、80万、100万、200万と軒並み大きく上昇する事態。それに伴い一儲けしようと仮想通貨取引所を開設する人間がこぞって集まります。
その時、どの取引所を選択すればいいのかブロガーやアフィリエイターのサイトを参考にします。そして紹介しているのはコインチェックの取引所。
そして思う壺のように仮想通貨で一儲けを狙う方はコインチェックの口座をバンバン開設。仮想通貨のインフレが起こるように取引所アフィリエイトの波もインフレしていきます。
このような上げ上げ大儲けウェーイ状態。
さらにマウントゴックスの大量の流失事件もあって、その反省からどの取引所もセキュリティ抜群だろウェーイ状態。
もちろん記事を見るとコインチェックの経営陣はマウントゴックスの事件をちゃんと知っている、まさか似たような事件が再び起きるとは思ってないウェーイ状態。
このようなコインチェックを紹介する側の過信、油断も、もしかしたら一因だったかもしれません。
そして2018年1月にコインチェックの500億円相当のNEM流失事件が発生します。
まとめると、何故コインチェックを勧めるしかなかったのか?
それは
・コインチェックのアフィリエイト単価が高かったから。
・取引所の中でコインチェックが一番使いやすかったから。
・紹介する側に、まさかマウントゴックスのような流失事件は2度と起きないという油断・過信があったから。
となります。
仮想通貨取引所でコインチェックを紹介されて痛い目にあったと嘆き、怒っている方々へ。
NEMの大量流出事件前までは、コインチェックが紹介する側にとって一番都合の良い取引所であったのも確かです。
ただ理由の一つに、
コインチェックが一番使いやすい取引所であったのも事実です。
なんというか…あの時は仕方なかった、としか言いようが無いかもしれませんね。締まり方が悪いですが、コインチェックの件でまだ心残りな部分があるので記事にしてみました。以上。