誰もが羨むテクノロジー企業。
今や世界の時価総額ランキングで上位に位置しているのは、ほとんどが大手テクノロジー企業によって占められています。
まさにテクノロジーが全てを決めると言っても過言ではないでしょう。
そしてテクノロジーで真っ先に思いつくのが「エンジニア」の存在。テクノロジー企業だからエンジニアが居て当たり前。だとすると、経営の責任者であるCEOもエンジニアでしょう。
例えばマイクロソフトのCEOビル・ゲイツ。テスラやスペースXのCEOイーロン・マスク。Googleのラリー・ペイジ。Facebookのマーク・ザッカーバーグなどなど。彼らは優れた経営者でもあるのと同時に、優れたエンジニアでもありました。
では逆に、エンジニア出身でもないのにテクノロジー企業を経営しているCEOはいるのでしょうか?今回、テクノロジー企業を経営しているけど、エンジニア出身ではないCEOをまとめてみました。
スティーブ・ジョブズ
Appleの創業者にして天才と呼ばれる、有名なスティーブ・ジョブズはエンジニア出身でありません。
経営者…というのも正直微妙ですが、Appleの経営についても初期はジョブズ氏ではなく別の人物が担当したそう。Appleを追放されて復帰したことによってCEOに就任したのだとか。
ではスティーブ・ジョブズは何なのか?
一部ではデザイナーやマーケの人間とか言われていたり、思想家とも言われています。謎……
ちなみにジョブズ氏の親友であり、初期のApple製品を担ったのがスティーブ・ウォズニアック。当時は「2人のスティーブ」と呼ばれていたそう。
彼の天才的なエンジニアリングと、キレキレのジョブズ氏のセンスで、初期のAppleは成長を遂げていきます。
ブライアン・チェスキー
Airbnbの創業者であるブライアン・チェスキーも、エンジニア出身のCEOではありません。彼は元々デザイナーで、友人であるジョー・ゲビアと共に起業しました。
しかし、当のゲビア氏もデザイナー。
一体だれがAirbnbのサイトを作るのか?
そこで登場するのが、もう1人の共同創業者であるネイサン・ブレチャージク。彼の天才的なエンジニアリングによりAirbnbの初期基盤を構築していきます。
ただ、この時のブレチャージク氏は本格的にAirbnbに関わる気は無かったそうな。その時は他からも仕事を請け負っており、Airbnbは請け負っている仕事の1つに過ぎなかったのだとか。
いづれにしてもブレチャージク氏のおかげでAirbnbは形になりましたが、チェスキー氏のデザイン的センスがAirbnbに大きく貢献したことも忘れてはいけませんよ。
今では最大のユニコーン企業に輝いたAirbnbが、まさか2人のデザイナーと1人のエンジニアによって創られたとは驚きですね。
アレックス・カープ
いや誰だよ!
と思われるかもしれませんが、PayPal創業やFacebook取締役、また投資家として有名なピーター・ティールが認める天才です。
彼は「パランティア・テクノロジーズ」のCEOであり、何と『哲学』出身でビジネスとは無縁の世界にいました。
そんなカープ氏は同じスタンフォード大学の同窓生であるティール氏に誘われ、彼と共に「パランティア・テクノロジーズ」を創業します。
そして今やパランティアは企業価値200億ドルを超えるユニコーン企業へ。すごい…ちなみにカープ氏はパランティア創業前は祖父の遺産でスタートアップ企業への投資に成功しているそう。哲学出身でも抜群のビジネスセンスはお持ちなのですね。
また、そんな大企業が何故そんなに有名になっていないのか?それはパランティアが国家機密の扱うソフトウェアを開発しているため、toC向けサービスとは違い知名度が劣るそう。
日本にも進出してきたりして。
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ジャック・マー
中国最大のeコマース企業Alibabaの会長ジャック・マーもエンジニア出身ではありません。たぶん…
彼の失敗話は有名ですね。
有名大学への受験には失敗する、ケンタッキーフライドチキンに応募したら自分だけ落とされる。当時は英語教師で日銭を稼ぐ日々。Alibabaの最初の売上も小銭程度。そんな敗北エピソードが多い彼だからこそ、その野心的な目に孫さんは惹かれたのでしょう。
まだ20人程度しかいなかったAlibabaに、孫さんは20億円投資します。その後、Alibabaはニューヨーク証券市場へ上場を果たし、世界的な企業へと踊り出ます。
三木谷浩史
楽天創業者の三木谷浩史さんも、エンジニア出身ではありません。三木谷さんは金融出身で、今のみずほ銀行にあたる「日本興業銀行」出身のエリートマンでした。
楽天創業期の初期はシステムをプログラミングも出来ない新人に頼んだそう。新人社員のガッツでシステムを完成させたのだから凄い。
ちなみに、銀行マン時代には孫さんと共に仕事したこともあるのだとか。そんな三木谷さんも、今や時価総額1兆円を超えるeコマース企業を持ち、SoftBankの行う通信事業へも参入を果たしました。
藤田晋
ブログサービス「Ameba」や、インターネットTV「AbemaTV」をはじめ、数々のインターネット事業を手がけるサイバーエージェント代表の藤田晋さんも、エンジニア出身ではありません。
元はバリバリの営業マンで、インテリジェンス(現パーソルキャリア)にて起業前は活躍していました。起業時にはインターネット事業をやると決めていたのですが、あいにくとエンジニアはおろか、インターネットの知識もおぼろげ。なので最初はインターネット事業の営業代行として事業を進めていました。
その後「サイバークリック」というアドテクを開発するにあたり、オン・ザ・エッジの堀江貴文さんへ協力を依頼。この時開発したサイバークリックのおかげで上場を果たします。
まとめ
「世界の有名テクノロジー企業の出身は、みんなエンジニア出身だよ」
という声を聞いたことがあるので、反論の意味も含めて今回の記事を執筆致しました。調べてみると意外とエンジニア出身ではない経営者も多いな、という印象。
特にデザイナーや哲学出身というのは驚きましたね。英語教師出身もいるし。
テクノロジー企業を立ち上げるならば最低限のエンジニアリングを身に付けておく必要はあるかもしれませんが、必ずしも必須ではないのかもしれません。
確証は持てませんが…以上。