夜間バス…深夜バスとも言いますが、このバスの特徴は通常の移動よりも「価格が安い」ことでしょう。
でも価格が安い反面「質」が悪い。トイレもイマイチだし、付いていないトイレもある。夜間バスなので当然眠くなるので移動中は睡眠。
でも座り心地が悪かったら眠れない人もいるかもしれないし、横に座った人が酒臭かったらたまったもんじゃありません。
これなら朝早く起きて新幹線で向かうか、あるいは飛行機という手段の方が快適なんて思われるかもしれません。
しかし夜間バスを、あえて「ホテル」と見せる事で、価格は高いけれど「質」が抜群のバスへ変身させたスタートアップがあります。
それが「Cabin」。
Cabinはもはや夜間バスという概念を取り払っています。バスの中は正に、本当に「ホテル」です。何故かってホテルのような高級感が漂っています。
これだけではイメージしにくいので、以下より要点を説明。
・ラウンジがある。
綺麗なホテルの入り口には広々としたラウンジがあるようになるCabinにもラウンジがあります。もちろんイスもあれば机もある。友人と楽しく会話することも可能だし、そこで作業することも出来ます。
・トイレがある。
高速バスにはトイレが付いていないことがありますが、Cabinには付いています。さらに汚くない!綺麗なんです!夜中にお腹を壊しても平気ですね。
・バスルームがある。
バスルームってあのバスルーム。あのシャワーを浴びる設備がCabinには取り付けられています。身体まで洗えるなんて、素晴らしい気遣い!
・Wi-Fiがある。
現代人にとってインターネットに繋がらないなんて事は死活問題でしょう。まして嫌なのは速度制限。拷問に等しいこの行為から解放してくれるのが「Wi-Fi」。Cabinには、そのWi-Fiがちゃんと完備されています。
・電源がある。
Wi-Fiがあるのならば電源もあります。このお陰でスマホの充電が0%になって翌日にはスマホが起動しないなんてことはあり得ません。
・水、紅茶、耳栓、サプリが貰える。
ホテルならアニメティがありますが、Cabinにもあります。それは水や紅茶という飲み物類の他に、快適な眠りを行えるような耳栓やサプリメント。サプリメントは眠気を施す「メラトニンサプリメント」。これでなかなか眠くならないなんて事は起きないでしょう。
・もちろん荷物も預けられる。
夜間バスなら当たり前ですが、荷物もちゃんと預けられます。大きい荷物なら1人2つ分。バスに持ち込めるのは小さな荷物だけです。
・朝には乗組員がコーヒーを勧めてくれる。
まさにホテル!夜間バスでコーヒーを勧めてくれる乗組員がいるバスなど、一体Cabinの他にどこがあるのでしょうか?それも缶コーヒーではありません。乗組員の方がカップに注いでくれるのだから、リッチな気分を味わえます。朝の日差しを浴びながら飲むコーヒーは、きっと美味いんだろうな…
・プライベートの寝室が与えられる。
一番大きいのはコレ!カプセルホテルのような自分だけの個室を寝室として利用できます。ですがカプセルホテルのように汚くありません。まるで京都のカプセルホテル「The Millennials」のような快適な空間の中で睡眠できます。
まさか夜間バスの中で横になって寝ることができるバスが現れるとは……
・外から景色が覗ける。
プライベートの寝室から、朝焼けの景色を眺めることができます。眠りから覚めた朝の日差しほど、目を潤すものはありません。素敵な寝室から朝焼けを眺めることが出来るなんて、これもホテルあるあるではありませんか?
と、このようにCabinのホテルっぽい高級感を説明しましたが、まだイメージ出来ない方は公式ホームページからご覧になってみましょう。
公式サイト Cabin
動画もあるので、どんなバスなのかイメージできるはずです。
ちなみにお値段は片道115ドル。
往復だと230ドル。割引なしの片道倍の金額。
日本円だと片道1万5000円程度。往復だと2万3000円くらいかな。普通に考えて、安くはない。ただ快適さを求めるのならば十分ありでしょう。
路線もまだロサンゼルスからサンフランシスコを往復する便しかなく、稼働しているバスも3台あるうちの2台なんだとか。今後は運行数も増やしていくとのこと。
またCabinが誕生したキッカケについて。
それは自動運転の社会を見据えてのことだそう。今後は自動運転が進むことで高速道路を利用する長距離交通網が飛躍的に発展していくことが予想されます。
その時来るのは、人々が延々と自動車に乗っているという「だけ」。Cabinはそこに目を付け、ただ移動という手段だけでなくホテルのようなホスピタリティを取り入れることを目指したのだそう。
資金調達も行なっており、330万ドルの資金調達に成功しています。
正直日本でも展開してほしいCabinですが、まずはアメリカの人々の心を掴む方が先か?誰かタイムマシン経営的にCabinの日本版を展開してくれないかな?絶対ミレニアル世代に受けると思うだけど。
さっき登場したみたいにミレニアル世代に目を向けた「The Millennials」や、ソーシャルホテル「HOTEL SHE」などのように、これからの世代にピッタリなはず。
いつか展開されてほしいです!以上!
参考
LA-SF間の寝台バスCabinが$3.3Mを調達、飛行機より高いけど人気 | TechCrunch Japan
”走るリッツカールトン”――アメリカで話題の寝台バスCabinに乗ってみた – TechCrunch Japan
京都のカプセルホテル「The Millennials」には僕たちが求めていた「合理性」がある | ライフハッカー[日本版]
「ミレニアル世代に刺さるグラフィックを提案したかった」ホテル経営者 龍崎翔子(21)ミレニアルズ解剖 | COMPASS