クラウドソーシングやり始めて良く聞かれるのは「クラウドワークス」と「ランサーズ」どちらが良いの?という質問。というより個人的にも気になっていた部分です。実際これは難しい質問で、クラウドワークスもランサーズもどちらも使いやすく、それぞれのサービスに良い特徴があります。厳密には大きな差はないように思えますが、ちゃんと検討してみるとどうなのでしょうか?
ということで二大クラウドソーシング「クラウドワークス」と「ランサーズ」を比較してみました。
クラウドワークスの概要
画像参考:クラウドワークス
クラウドワークスは2011年11月に創業され、2014年12月に上場。代表は吉田浩一郎氏。
実は古くからクラウドワークスを利用している方なら分かるのですが、今は青色が特徴のサイトが少し昔は緑色のサイトでした。2014年11月よりリニューアルを行なったと公式HPに記載されているので、上場に向けての変更のようですね。
またクラウドワークスはクラウドソーシング事業を行なっている企業としては日本で初めての上場企業になります。
ランサーズの概要
画像参考:ランサーズ
ランサーズは2008年4月創業とクラウドワークスよりも前に創業されています。また創業時の社名は「株式会社リート」で、リリースしたばかりのサービスもブックマーク支援サービス「AddClips」というサービスでした。
ランサーズの事業を開始したのは2008年12月。クラウドワークスよりも早くからクラウドソーシング事業を開始しており、ランサーズの方が老舗感があるという感じですね。また2009年8月には本社を鎌倉に移転するなどユニークな側面も。そして2012年に社名を「ランサーズ株式会社」と変更しました。その後2013年6月には本社を渋谷へ、ランサーズもリニューアルしています。
上場も近いと噂されており、クラウドワークスの次に来るクラウドソーシングの上場企業になりそうですね。
利用者数の違い
まずは利用者数の比較です。これは仕事を発注する発注者数「クライアント数」と、仕事を受けたい受注者数「会員登録数」で判断していきます。
クラウドワークスの利用者数
クラウドワークスの利用者数は2018年8月に発表されたクラウドワークスのプレスリリースを参考にします。
参考: クラウドワークス、会員数が200万人を突破 ~「ありがとうボタン」で贈りあった感謝の数は1000万回に~ | 日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」プレスルーム
まずクライアント数は「25万社」。そして会員登録数は「200万人」になります。
ただプレスリースには利用ユーザーが208万人とされており、実際の利用者はもう少し多いかもしれません。
ランサーズの利用者数
ランサーズの利用者数については会員登録数については把握することが出来ませんでした。ただクライアント数について分かる情報があったので、そちらのみ参考にします。
参考:ランサーズが脱クラウドソーシング宣言、実名制で単価上げる | BUSINESS INSIDER JAPAN
ランサーズのクライアント数は「23万社」に登り、2万人ほどクラウドワークスには及びませんでした。ただ出されている情報が2017年のモノなので、クラウドワークスのプレスリリースが2018年8月のモノだとするとズレが生じるのも確かです。
案件数の比較
今度は案件数(依頼数)について。対象の案件はジャンルとタスク・コンペ・プロジェクト関わりなく公式サイトで提示されている合計額で判断していきます。
クラウドワークス案件数
クラウドワークスの案件数については公式サイトに記載されている数字より判断します。
2018年10月30日の時点で、クラウドワークスの案件数は「約211万件」になります。
ランサーズ案件数
ランサーズの案件数については同じく公式サイトに記載されている数字より判断します。
2018年10月30日の時点で、ランサーズの案件数は「約210万件」になります。クラウドワークスより僅かに1万件少ない結果になりました。ただ時期に連動して数字を合わせているのかは不透明です。
依頼総額数の比較
クラウドワークスとランサーズのサイトへ依頼した金額の合計額です。もちろんジャンル、タスク・コンペ・プロジェクトは問いません。
クラウドワークスの依頼総額数
クラウドワークスの依頼総額数についての情報は見つかりませんでした。代わりに企業HPの「総契約数」を参考にします。
2017年9月期の総契約数では約63億円になります。
ランサーズ依頼総額数
ランサーズの依頼総額数については公式サイトの数字を参考しました。
2018年10月30日時点で、ランサーズの依頼総額数は2100億円になります。
クラウドワークスとは雲泥の差に見えますが、そもそもランサーズの依頼総額数は1年を通してのモノなのか、またはランサーズが運営されてから今までの合計額なのかは不明です。もしかするとクラウドワークスの総契約数も契約が成り立っての合計額であり、サイトに掲載されている依頼額を足したものではないのかもしれません。
となればランサーズは契約数ではなくサイトに掲載された依頼の総額という線も考えられ、いずれにしても正確な比較が難しいと考えます。
手数料の比較
次にクラウドワークス、ランサーズ内で利用する際に徴収される手数料の比較です。2つのサイトとも受注者に対して徴収する「システム利用料」という仲介手数料が発生します。クライアント側には手数料の徴収はしません。
クラウドワークス手数料
クラウドワークスの手数料については公式HPの情報を参考にしました。
システム手数料については
20万円を超えた場合、報酬額の5%
10万円を超えて20万円には届かない場合、報酬額の10%
10万円以下の場合、報酬額の20%
タスク形式の場合、報酬額の20%
となります。また全て税込価格です。
ランサーズ手数料
ランサーズの手数料については公式HPの情報を参考にしました。
参考:仕事が成立した場合の利用手数料はいくらですか? | ヘルプ | クラウドソーシング「ランサーズ」
システム手数料については
20万円を超えた場合、報酬額の5%
10万円を超えた場合、報酬額の10%
10万円以下の場合、報酬額の20%
となります。システム手数料についてはランサーズとクラウドワークスに大きな違いは見受けられません。
付帯サービスの特徴と比較
それぞれのメインのサービス以外に展開している付帯サービスをまとめて比較してみました。
クラウドワークスの付帯サービス
クラウドワークスではメインのサービス以外にも5つのサービスを提供しています。
クラウドテック
フリーランスのエンジニア、デザイナーに特化した求人情報を提供するサービス。
WoW!me(ワオミー)
個人間で自分の得意なスキルを売買できるCtoCサービス。ただし、2018年12月17日で終了します。
サイタ
クックパッドより事業買収したサービス。自分の習いたい習い事をピッタリのコーチを見つけて教えてもらえるサービスです。
クラウドキャッシュ
クラウドワークス利用者に向けた融資サービス。クラウドワークスの実績に合わせた独自の与信審査で少額融資を行うことが出来ます。
フィークル
仕事内容とクライアントを入力するだけで、誰でも簡単に請求を送ることができるサービスになっています。
また他にも、MFUGと新会社を設立し、フリーランス向けのウォレットアプリの提供を目指しています。
フリーランスを支援するウォレットアプリを--MUFG子会社とクラウドワークスが新会社 - CNET Japan
ランサーズの付帯サービス
ランサーズではメインサービス以外に6つのサービスを提供しています。
ランサーズストア
ランサーズの会員が個人の持つスキルを出品できるサービスです。
Lancers Top
エンジニア、デザイナー、マーケッターに特化し、週5からの良質な案件が多数あるサービスです。
PROsheet
フリーランスのために週2から案件を選択できる高報酬案件サービスになっています。
PARAFT
求人情報と仕事を通した特集記事を合わせて発信する求人情報メディアです。
LOHAI
地方の紹介情報と地方で働く機会を提供する地方創生メディアです。
フリーランスレンディング
フリーランスに特化した融資サービスです。通常の信用情報の他にランサーズでの仕事実績に基づく与信審査も行なっていきます。
と、このようにランサーズとクラウドワークスを比較しても特色あるサービスを運営されていることが分かります。
両サービスの共通点としてはエンジニアやデザイナーに特化した求人メディアを運営されている点。そして個人間のスキル売買ができるサービスを運営されている点(ただしクラウドワークスは2018年12月にサービスを終了する)。
それからフリーランスに特化した融資サービスを行なっている点です。この融資サービスはどちらも、サイト上で行なった仕事実績が与信に加わるという独自の特徴があります。
2つのサービスの個人的な感想
ここからはクラウドワークスとランサーズを使って感じた個人的な感想を述べていきます。
クラウドワークスの場合
クラウドワークスの方が長く利用していてサービス自体は非常に使いやすいです。最近だとアプリもリリースされていて利用しているのですが、アプリの方が気になった案件をすぐブックマークできる他、応募も簡単でクライアントとのやり取りもスムーズに進みます。
またクラウドワークスのみの備えられている「クイック出金」の昨日は個人的には非常に便利です。手数料はかかりますが、出金申請からすぐに銀行へお金が振り込まれているので急な出費が必要になった時には安心です。そして利用した経験は無いので分かりませんが「クラウドキャッシュ」という融資サービスは有難いと感じます。フリーで活躍するとお金が困る機会が多いのと、クラウドワークスの利用実績が多いのでその分審査が有利になるののは自分的には凄く良いと思います。
ランサーズの場合
ランサーズを利用した経験はクラウドワークスと比べて短いのですが、サービス自体は使いやすいです。この点はクラウドワークスと遜色ないと思います。またランサーズも最近アプリをリリースしたのですが、こちらはあまり利用していないので正直よく分かりません。また個人的に大きく気に入っている部分は「ランサーズストア」です。
クラウドワークスにも個人間のスキル売買である「ワオミー」があったのですが、2018年12月にサービスが終了し、また利用した経験からするとそこまで盛り上がっている印象は少なかったです。しかしランサーズはワオミーと比較すると盛り上がっている印象があり、実際応募がきた経験もあります。ランサーズを利用した方は出来るだけランサーズストアも並行して行なった方がいいです。
ただクイック出金が無いところは痛いですね。すぐお金が振り込まれず待たなくてはいけないのは急な出費に困った際に大変です。ただクラウドワークスと同じく「フリーランスレンディング」という融資サービスがあるのは嬉しいです。
結論
結論からすると、どっちもオススメではありますし、どっちもやって良いのでは無いかとも思います。僕自身が思うベストな選択としては、とりあえず2つとも登録して利用してみる。そして自分的にどちらの方が使いやすいか判断してクラウドワークスかランサーズのどちらかを選択して集中して仕事をやり込むのがベストだと思います。
また並行して利用してみるのも良いかもしれません。例えばランサーズは「ランサーズストア」があるのでクラウドワークスをメインに利用しながら、ランサーズでは「ランサーズストア」を利用してみるとか。
ただその中で、やはりどれか1つといえば「クラウドワークス」でしょうか?クラウドワークスは何と言っても「クイック出金」が便利なので、初心者の方、特にライターの方には魅力的に見えるサービスです。初心者でライターだとすぐお金が欲しいので...僕の体験談ですが。
ただエンジニアやデザイナーの方だと「ランサーズ」でしょうか?エンジニアやデザイナーに特化した高報酬案件を提示する付帯サービスを多く取り揃えているのでスキルが強い方で安定した収入を得たい方は「ランサーズ」だと考えます。
結局は人の選り好みになりそうな気もします。今回の比較情報を参考に選んでみても良いかもしれません。とにかく「クラウドワークス」でも「ランサーズ」でも、まずは登録して始めてみましょう。以上。