開戸日記

カクコト・イイコト

あなたが知らないペイパルの意外な事実

皆さん!
「ペイパルマフィア」をご存知ですか?

ペイパルマフィアといえば、有名なのがイーロン・マスク。彼はペイパル売却後にスペースXを創業し、後々テスラの創業にも関わっています。

また他にもLinkedinのリード・ホフマン。Yelpのジェレミー・ストップルマン、YouTube創業に関わったチャド・ハーリーなどがいます。

そして忘れてはいけないのが「ピーター・ティール」。彼は投資家として、また起業家としても活躍した凄腕ビジネスマンです。

そしてこのピーター・ティールこそ、ペイパルの創業者でもあります。しかし、ペイパルの経営は絵に書いたような物ではありませんでした。

今回は意外と知られていないペイパルの事実をまとめて紹介します。


ペイパルの創業は「2社目」

実はピーター・ティールがペイパルを起業する前にシリコンバレーにて自身が設立した「ティール・キャピタル」を立ち上げていました。

ティール・キャピタルは友人や家族から集めた100万ドルで運営し、当初は投資家として活躍。ペイパルの前身「コンフィ二ティ」へも経営者としてではなく投資家として参加する予定だったのですが、結局CEOとして経営に携わることに。


ペイパルの最大の敵は「イーロン・マスク」だった

ペイパル創業時に、厄介な脅威が存在していました。それが「Xドットコム」を立ち上げたイーロン・マスク

マスク氏はXドットコムを立ち上げる前にZip2社を起業。その後会社をコンバックに3億ドルで売却し、2200万ドルを手にします。その1000万ドルを元手にすぐ「Xドットコム」を立ち上げ、インターネットの金融ポータルになることを宣言。

彼らは銀行免許も持っており、顧客に対して銀行口座を与えることができるなど、銀行と同じような金融サービスを提供。さらにペイパルのような送金サービスも提供しており、ペイパルにとっては脅威にしかならない存在に。

ピーター・ティールはXドットコムも脅威でしたが、Zip2を売却して成功している若き起業家のイーロン・マスクそのものに尊敬にも似た恐れを抱いていました。


競合との合併

ティール氏の著書や講演の書き起こし記事をご覧になった方なら分かる通り、ティール氏は「競争」というモノを最も嫌います。競争すること、対決することを最も「愚か」であるとも語っているのです。

さらにインターネットという市場では、マイクロソフトGoogleFacebookといった独占的な企業がいるように、勝者は1人しかいないと考えていました。

そして決断したのは「Xドットコム」との合併です。ティール氏はXドットコムと組むことで市場の勝者になることを目指し、同時にイーロン・マスクという強大な脅威を味方に付けることに成功しました。


光通信もペイパルに出資していた

ドットコムバブル真っ盛りのインターネット市場を、ティール氏はいずれ崩壊すると予測していました。

その前に、バブルが浮き上がり真っ盛りで何処も資金を上げたくて仕方ない状態を狙って大規模な資金調達を実施しました。

そして、その中には「光通信」の姿も。
お金を調達できるのならば企業も場所も選ばない、ティール氏の積極果敢な姿勢が見えます。


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最初のトップはイーロンマスク。その次がピーターティール

正確には、合併後に代表となったのは外部から寄せた凄腕経営者でした。評判もよく合併直後の経営を任されましたが、すぐクビに。

理由としては彼の経営がペイパルの成長に歯止めをかけるという不信感と、それが数字に表れたのが理由です。

その後、イーロン・マスクが経営の代表として立ちます。一時はペイパルの成長に寄与する動きを見せましたが、半年でクビになります。

理由としては、開発リソースをXドットコムへ集中させたこと。これでは市場の対応に合わせるように新規機能を追加することが難しくなります。

またXドットコムはペイパルと違い新しい技術を利用しており、金融を扱う企業としてセキュリティの問題が存在していたこと。

そして、ペイパルのマークを追い出し、ペイパルよりも知名度の低いXドットコムを表に出していく姿勢を見せました。

これらの理由からマスク氏はCEOを外れ、代わりにティール氏が代表として立つことに。

その後、金融のポータルサービスという壮大な夢を掲げたXドットコムに代わり、決済と送金という利用手段を集約させたペイパルを前面に押し出していきます。


ペイパルは一時期上場している

ebayに買収させられたことがインパクト過ぎて知られていませんが、実はペイパルは上場したことがあります。


ebayは最大の顧客であり、最大の敵だった

ペイパルは、ペイパルの利用が最も多いebayの肩に乗ることで成長しました。つまりebayに「依存」すること。この依存度を下げるためにカジノ市場での利用普及も狙いましたが、依然、ebayの利用が多い状態でした。

そしてebayも、これを良しとしません。
ペイパルは顧客を呼び込む良い糸口でしたが、ペイパルの依存を下げるためにも「ビルポイント」という独自の決済サービスを登場させます。

ペイパルにとっては厄介な競争相手でしたが、ビルポイントはそれでもペイパルの差を埋めることは出来ませんでした。

結果的に両者は歩み寄り、ebayによるペイパルの買収ということで競争は終焉します。


ペイパルマフィア誕生の理由は「退屈」

ebayに買収されたペイパルですが、なぜペイパルから飛び出して、彼は再び新たな挑戦に向かい始めたのでしょうか?

それは起業家精神旺盛な彼らにとって、一度のエグジットだけで満足せず再び新たな挑戦を求めたから〜的な理由が垣間見えますが、実は少し違います。


ペイパルマフィアが生まれた理由の一つに、ebayとペイパルの企業文化の「差」がありました。


それはebayはすでにペイパルよりも規模の大きい企業ですが、それが一因で大企業的な企業文化になっていました。対してペイパルは起業家精神旺盛な社員によって占められています。

両者の企業文化の差は明らか。
ペイパルから見て、ebayの企業文化は「退屈」そのものにしか映らなかったのでしょう。

その後、ペイパル社員は辞める人が続出。ペイパル売却の資金を元手に新たなテクノロジー企業を次々と誕生させます。


「パランティア」にはペイパルの技術が活用されている

ペイパルを辞めたピーター・ティールが新たに創業した企業、それが「パランティア」。

パランティアは国家保全のためのソフトウェアを提供して起業しましたが、ティール氏は再びCEOになるのは御免だとして同窓生のアレックス・カーブ氏をパランティアのCEOに就かせます。

このアレックス・カープ氏が哲学出身というのは以前に語りました。そして現在200億ドル規模の企業となったパランティアですが、このパランティアには「ペイパル」の技術が活用されています。

活用された技術はペイパルのクレジットカード不正利用検知システム。不審な金の動きを追うアルゴリズムの技術を活用し、それをテロといった国家規模の人災から守る技術として転用させたのが「パランティア」です。

事実、パランティア創業期にはペイパルの元エンジニアが加わっています。


まとめ

ペイパルやペイパルマフィアのことはご存知な方が多いですが、ペイパル創業から買収、そしてその後まで細かく知っている方は中々いません。

歴史に裏側があるように、ペイパルが生まれ、ペイパルマフィアが誕生し、その後のテクノロジー業界に深く影響を与えたのにも、一つ一つの舞台裏があります。

あなたがいつも使っているWEBサービスも、もしかしたら色々な舞台裏から誕生したのかもしれませんよ?

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